今回は心臓病のステージが進行し肺水腫といって肺に水が溜まってしまう病態に陥ったわんちゃんです。
当院初診時に心雑音がみつかり、レントゲン検査、超音波検査による詳しい心臓の検査の結果、僧帽弁閉鎖不全(僧帽弁粘液腫様変性、僧帽弁逆流)による心拡大があることが分かり、以前から投薬を行っていました。
僧帽弁閉鎖不全症で心拡大のある症例はステージB2として、ステージCに進行するまでの時間を延長するために投薬をすることが推奨されています。
ステージCとは心不全による肺水腫を起こしたことがある病態をさします。また心不全による肺水腫とは血管内の静水圧の上昇で肺の血管から肺に血液中の水分が漏れて、溺れたような状態になる病態をいいます。
今回は歯石除去・抜歯のために受診されたのですが、麻酔前の検査の時点で呼吸が荒く胸部レントゲン撮影を行ったところ肺が正常よりも白く映っていました。レントゲン画像からは肺炎の疑いも否定できませんでしたが、血液検査で炎症の数値が上昇していないことから心原性肺水腫として治療を行い、呼吸状態の改善とレントゲンでの肺のX線透過性の改善が見られました。
心雑音を指摘されたことがある場合には定期的な健康診断で心拡大の有無を検査し、適切な時期から投薬を開始することが重要です。
この症例は投薬していなければもっと早くに肺水腫になっていたと考えられます。
肺水腫になった場合この仔のように治療に反応して助けられる場合もあれば、治療への反応が乏しく亡くなってしまう場合もあります。
また肺水腫を起こしステージCとなった場合、たとえ助かっても利尿薬などの投薬が増えたり腎臓への負担がかかったりとQOLは低下するため、投薬によりステージCへの進行を抑えることが非常に重要です。
当院ではレントゲン、超音波検査による心臓の検査が可能です。
さいたま市で心臓病の治療が可能な動物病院をお探しの方はぜひ当院にご相談ください。
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